~抱える問題点②
柔道整復師の抱える問題点について、前回の続きです。
一般に医療保険においては、まず患者から窓口で一部負担金(0~3割の料金)をいただき、その後保険者(国民健康保険、全国健康保険協会、各健康保険組合など)に、残りの金額(7~10割の料金)を請求します。この保険者に請求する金額を本来の金額よりも多く請求することを不正請求といいます。整骨院ではこの不正請求が後を絶たず、大きな問題となっています。
②整骨院の保険の不正請求 ~ 整骨院の数が増え過ぎた ~
整骨院で保険の不正請求が頻発する原因としては整骨院が増え過ぎたことがあげられます。もともと柔道整復師の養成学校は全国に14校しかありませんでした。養成学校の新規設立に制限をかけていたためです。ところが平成10年(1998年)、新規設立に制限をかけることは違法であると裁判で国が敗訴しました。その結果、養成学校は100校以上にまで増加します。そこで、次のような問題が起こりました。
- 教員不足
養成学校の教員が不足し、一度も現場に立ったことがない柔道整復師でも教員として招かれるようになります。結果として実技は教えられず、国家試験に受かることを主目的とした養成学校が増加してしまいます。保険請求も行ったことがないため、現場で必要な知識が教えられない状況が生まれます。
- 柔道整復師の増加、質の低下
学校の増加に合わせて柔道整復師も急増しました。しかし教員不足の状況から十分な教育、特に現場で必要な教育が受けられないまま国家試験に合格する柔道整復師が増加していきます。卒業後就職した整骨院で保険請求を先輩柔道整復師から教わるのですが、その過程で不正請求の方法を覚えてしまいます。整骨院としては正しい方法で請求しているつもりでも、実は間違っているということも少なくありません。
- 整骨院の経営難
柔道整復師の増加により整骨院も全国に大量に開設されました。その結果、供給過多となり経営難になる整骨院が多発します。高い理想を掲げて整骨院を開設した人でも、いざお金がなくなると不正に手を染めてしまうものです。
不正請求問題は厚生労働省、各保険者は重く考えているため今後も不正対策のための政策や活動が行われていくと考えられます。しかし、一番大切なのは患者側が不正を行っている整骨院を利用しないことです。明らかに怪しい場合は、ご自身の加入している保険者に相談してみるのが良いでしょう。
